『幸せ探し』

うえお あい

 一人で空を見ていると 吸い込まれてしまいそう

 大きな空の前では 私の悩みなど ちっぽけに感じる

 一人で空を見ていると 溶けていってしまいそう

 大きな空の前では 私の存在など 小さすぎてどうでもよく感じる

 一人で空を見ているよ 今日も一人で見ているの

 ここの空は 私の心を いろいろ見せてくれているの?

   第一章 幸せへの道

 ヘッドホンから流れてくる音楽のテンポに合わせて、キィ、キィとブランコがなる。

 ゆっくりとしたこの曲にあわせて、歌詞のように私は空を眺めていた。

 夕暮れの一歩手前。空全体が、何色になろうか迷っているように混在する青色と灰色とオレンジ色。

 夏が過ぎて、空もずいぶん高く感じる。

 すがすがしく、そして遠く感じる。ずいぶん意地の悪い空。

「美里さん、こんなところで何をしてるんですか?」

 声をかけてきたのは、やっぱりみのりだった。みのりは大学の後輩で、国文学科の一回生。そして学生マンションのお隣さん。マンションから一番近くのスーパー方面へ徒歩一分のこの公園で会っても一番納得できる人。

「うーん、ぼーっとしてたあ。みのりちゃんは今買い物?」

 みのりの手に下がったビニール袋に見えるのはリゾットや簡単調理のレトルトパック。私の足元のビニール袋にもそう変わらないものが入っている。

 みのりはスカイブルーのミュールで、くるんとまいた茶色い髪、かわいらしい顔にかわいらしい化粧をしている。近所のスーパーに行く時だって手を抜かない。そんな、かわいらしい子だ。

 パールピンクのグロスでぷるんとした唇で微笑む。

「美里さん、バイトないんだったらさ、一緒にゴハンしようよ」

 それはいいね、うち今チューハイあるよ、とか言って私はブランコから立ち上がる。わぁいって、みのりは顔をくちゃっとして笑った。

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